13、不可思議な訪問者

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「私、今帰るところもないのよ~?」 追い出す気? そう言うときも、やっぱり浮かべている淡い微笑み。 薄っぺらなそれで、なにを守ろうとしているんだろう。 「ううん、リュウさんに頼んでここに置いてもらったらいいんじゃないかな」 圭介は、うちに連れて帰るから。 ポカンと私を見る、圭介と圭介のお母さんは、顔の作りは似ていないのに驚くほどそっくりに見えた。 うん、好きになれるように、ゆっくりゆっくりだね。 だって、私たちにはまだまだ時間があるんだから。 だから、圭介のお母さん、私と少しずつ仲良くなろうね。 圭介は、仲良くしたくなければ、仲良くしなくていいからさ。 「……かなわないわね」 「……でしょ」 どうやら私のことを言っているみたいだけど、一瞬だけ圭介の肩の力が抜けたように見えた。 直ぐに、また頑なに戻ったけれど。 うん、無理はしなくていいよ。 ゆっくりゆっくり、気が向いたら、ね?
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