14、数年後

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「ぷりんしぇす……」 うっとりと華を見つめるその小さいのは、リュウの愛娘だ。 「ありがとう、ちーちゃんもリトルプリンセスね」 「ちーたんも、ぷりんしぇす?」 「えぇ、とってもかわいいわ」 嬉しそうに華の手を取る千晴も、今日はおめかしをしている。 ヒラヒラフワフワしたピンクの薄い布の重なりが、まるで八重桜みたいだ。 「ケイは?」 「俺にはなんもねーのかよ」 「あっ、イケメンだねー似合う似合う」 「んなこと言えなんて、いってねーよ!」 「だってさ、ケイが結婚するんだよ?もうね、気分はケイのパパだよねー」 「……兄貴じゃねぇのかよ」 そわそわと辺りを見回すリュウを呆れて見ていると、階段を降りてきたケイが派手な頭の集団に捕まっていた。
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