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「おにーちゃん」
「あぁ?」
「あっ、濁点がない」
「は?」
「フフッ、お兄ちゃんもかっこいいねぇ。圭介が一番かっこいいけど」
後についた余計なのは聞かなかったことにしよう。
俺よりケイのがかっこいいなんて、ある訳がねぇだろう。
「ケイのあれは地毛か」
「うん、もうずっと染めてないからねぇ。かわいいでしょ?」
「……お前のかわいいの感覚は、おかしくねぇか?」
「えぇーかわいいのに、クリーム狼」
「……なんだかうまそうだな」
脱色して銀色に染めていたケイの髪は、いつしか柔らかなクリーム色になっていた。
痛め付けなくなったからか髪に柔らかな光沢が出ていて、今日は綺麗に撫で付けられているからか、元からわりと甘めの顔立ちだからか、王子さまもどきも何とか様になっている。
……なんとか、な。
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