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「これからだねぇ」
「あぁ」
結婚式なんてもんはゴールじゃねぇ。
あくまでスタートだ。
そんなもんしなくてもいいんじゃねぇかって言ったら、娘たちの花嫁姿を見せない気かって、一条の親父に殴られた。
華も、雪も、かわいい娘だとでっかい声で言う豪快な親父は、まだまだ引退しそうにねぇから、俺たちは今のうちのにその背中から沢山学んでおこうと思う。
すっかり千晴のお気に入りになっているリンが、ピンクでフワフワな千晴を抱っこして、ケイに何か言うと微かな微笑みを浮かべた。
……あれでかなり笑ってる方だってんだからな。
ケイの血の繋がらない弟であるリンは、ケイの母親が3回目だか4回目だかに結婚した人の連れ子だ。
最近、その人とケイの母親がいい感じだとかそうじゃねぇとか、元サヤに戻ろうがまた別れようが、まぁどっちでもいい。
今は離婚してんだから法律上は、ケイにとっても弟でも何でねぇのかも知れねぇけど。
だけどそれでもケイの弟だ、だから俺にとっても弟になんだよな。
弟だの弟分だの沢山いるからな、どれがどれでもまぁいいんだけどな。
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