973人が本棚に入れています
本棚に追加
/686ページ
新郎新婦さまは一度控え室に……
スタッフに声をかけられて、花嫁たちが手を繋いで階段に向かう。
おい、俺たちを置いていく気か。
振り返って手を振ってみせる二人に呆れながらも、仕方なくケイと並んで追いかけた。
さーてと、こっぱずかしいイベントはさっさと終わらせて、披露宴だの二次会だのって名の宴会を楽しむか。
堅苦しいイベントはちょっとでいいから、基本はみんなで楽しみたいって言う華と雪の提案に、俺とケイが大賛成したのは言うまでもない。
……それが罠だったんだよな。
あくまでも、ちょっとはあんだよ……こっぱずかしいイベントが。
「ハルさん、置いてかれますよ」
「……お前嫌じゃねぇのかよ」
「雪ちゃんが喜んでくれるなら、多少の恥ずかしさは噛み伏せます」
……噛み伏せるって、なんかおかしくねぇか?
まぁいい、一生に一度だ。
どんな恥だってかいてやる。
……華と、雪のために、な。
「そうだな……行くかっ!」
「はいっ!」
END
最初のコメントを投稿しよう!