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あたしは思いきって彼女に声を掛けた。
ピタリと真維の歩みが止まる。
あたしも真維に続き、歩みを止めた。
「ねぇ、篤史のこと……好き?」
「え?」
やっと口を開いた真維の言葉に、あたしは戸惑いを隠せなかった。
「何?急に」
「好きなんだよね?……篤史のこと」
「真維?」
ゆっくりとあたしの方に顔を向けた彼女。
軽く唇を噛み、いつもの笑顔は消え失せ、切なそうで苦しそうに見える彼女の表情。
彼女の言う篤史とはあたしの彼氏。
遠距離恋愛をしているあたしの彼氏。
そして、真維。
彼女の好きなのはあたしの彼氏。
だけど、彼女は自分の気持ちを押し殺してあたし達を応援してくれている。
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