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「ど、どうしたの?真維」
「好きなんだよね?好きだから付き合ってるんだよね?」
真維の声が少し高くなる。
通りすがる知らない人達が、何事かというような視線をこちらに向けながら通り過ぎていく。
あたしと彼女に突き刺さる、好奇の視線。
「真維、ちょっとこっち」
あたしはキョロッと辺りを見渡し、真維の腕を掴み細い路地裏に入っていった。
ビルとビルの間。
あたしと真維が向かい合うだけで精一杯のようなその場所に、あたしは真維を連れ込んでいた。
「篤史のことちゃんと好きだよね?篤史だけが好きなんだよね?篤史以外は、恋愛対象で見てないよね?」
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