14/20
前へ
/20ページ
次へ
「嘘……」 「真維……」 あたしの目の前にいる真維の瞳から、一筋涙が伝って落ちた。 あたしは、どうしていいのか…… どうして真維が泣いているのか、理解できなかった。 「……ずるいよ」 軽く目を伏せて、あたしから彼女が顔を背ける。 「篤史のことが好きだって言いながら、智也君の視線は自分に向いていて欲しい。そう思ってる」 「そんな事……」 「無いって言える?」 そう言った彼女の声は震えていた。 「あたしが智也君を好き?好きだよ。智也君は凄くいい人だもん」
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加