19人が本棚に入れています
本棚に追加
こんな涙で訴える真維をあたしは知らない。
「あたしが智也君と一緒にいて話してるのは……同じだから。あたしも智也君も」
「同じ?」
「……報われない、届かない。わかっていても、好きだから。
篤史もあんたもどっちも好きだから。報われなくても幸せになって欲しいって思ってる。
例え届かなくても、人からは不幸な恋だと言われても…あたしも智也君も幸せだよね?二人が笑顔なら幸せだよね?そう言って笑い合ってる」
あたしは、どう答えて良いのかわからなくて、そのまま真維の話すことを聞いていた。
「それなのになんなの?あんたが好きなのは篤史?智也君?」
流れる涙をそのままに、キッとあたしにきつい視線を向ける真維。
「さっきのあんた、嫉妬心丸出しの顔だった」
最初のコメントを投稿しよう!