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あたしは、黙って聞いてることしかできなかった。
「言いたくても言えない人の気持ち考えなよ。どっちも好きだからフラフラなんてあたしそんなの……考えられない。あたしは篤史だけだもん」
そこまで言うと真維は耐えきれなくなったように、路地裏を飛び出していった。
真維の後を追いかけようかとも思ったけれど、何故か地に足が吸い付いて……
あたしはその場を動けなかった。
吸い付いて離れようとしない自分の足を無理矢理動かし、あたしは家路についた。
ずっと考えてる。
真維の言っていたこと。
あたしは、篤史を好きだと思う一方で……智也君と一緒にいる真維に嫉妬をした?
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