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ゴモゴモと口ごもるあたしを、両手いっぱい抱えきれないくらいの衣類を持った真維が不思議そうに見ていた。 「智也君と仲良いよね?」 「智也君と?うん、そうだね~。 ちょっと話が合うって言うか、ウマが合うって言うか。 智也君って口数少ないから、あたしがベラベラ話すこと聞いてくれてることの方が多いんだけどさ」 そこまで言って真維が、凄く柔らかい笑顔をあたしに向けた。 「何かね……気持ちが楽になるんだ智也君と居ると。自分をさらけ出して話せるからかな?」 チクン  チクン   チクン あたしの胸に、容赦なく小さな棘が突き刺さる。 かすかにあたしの腕が振るえる。
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