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「………」
いきなり黙り込んでしまった真維。
クルッと身を翻すと、両手に抱えていた衣類を店員さんに返していた。
「出よ」
「え?」
どうしたんだろう?
真維の様子が変わった。
いつもの笑顔が消えて、あたしに背を向けてスタスタと歩き出した。
あたしは慌てたように彼女の後を追った。
しばらく何も言わずに彼女は歩き続ける。
何となく話しかけちゃいけないような気がして、あたしは声を掛けそびれたまま隣を歩いた。
でも、いつまでもこのまま歩き続けるのは空気が重くて……
「真維?」
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