16人が本棚に入れています
本棚に追加
「とりあえず周辺を見回って悪霊がいないか探しましょう!」
高校の制服姿の元気ハツラツな夏子とボサボサ頭で目元を隠し、真夏に黒のジーパンと黒の長袖姿のドンヨリした芝狸
二人が並んで歩いている光景は実に奇妙なものだった
カンカンと照り続ける太陽にモノともしない夏子に比べ、芝狸は今にも倒れてしまいそうにフラフラと歩き続ける
見かねた夏子が芝狸に問いかける
「そんな格好で暑くないんですか…?」
「暑い…」
「やっぱり!こんな真夏にその格好はないですよ!」
「でも黒い服は霊を落ち着かせる効果があるんだよ……」
見た目はやる気が無さげで頼りないが、何時も霊に対して気を許さない様子に夏子は「なるほど」と感心していた
「ところで君、今日学校は…?」
「今日土曜日ですよ?だらけすぎて曜日まで分からなくなっちゃったんですか!?」
「じゃあなんで制服着てるの……?」
「朝学校に用事が……あーー!!」
夏子は突然思い出したかのように声を張り上げた
最初のコメントを投稿しよう!