第2章「師匠」

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「とりあえず周辺を見回って悪霊がいないか探しましょう!」 高校の制服姿の元気ハツラツな夏子とボサボサ頭で目元を隠し、真夏に黒のジーパンと黒の長袖姿のドンヨリした芝狸 二人が並んで歩いている光景は実に奇妙なものだった カンカンと照り続ける太陽にモノともしない夏子に比べ、芝狸は今にも倒れてしまいそうにフラフラと歩き続ける 見かねた夏子が芝狸に問いかける 「そんな格好で暑くないんですか…?」 「暑い…」 「やっぱり!こんな真夏にその格好はないですよ!」 「でも黒い服は霊を落ち着かせる効果があるんだよ……」 見た目はやる気が無さげで頼りないが、何時も霊に対して気を許さない様子に夏子は「なるほど」と感心していた 「ところで君、今日学校は…?」 「今日土曜日ですよ?だらけすぎて曜日まで分からなくなっちゃったんですか!?」 「じゃあなんで制服着てるの……?」 「朝学校に用事が……あーー!!」 夏子は突然思い出したかのように声を張り上げた
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