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「いい加減に…出てこいコノヤローがぁああ!!」
そして芝狸は一心不乱に怒鳴り付けると光恵の首を握る手に力を込めた
「グァアアア!!」
途端、物々しい雄叫びと共に光恵は口から黒い煙の様なモノを吐き出した
同時に周辺の飛び交っていた物が一斉に静まり返る
芝狸は咄嗟に空いている左手でその[黒い何か]を力強く掴むと、光恵を静かにその場へ寝かせた
「これでやっとお前と話が出来るな」
芝狸は肩で息をしながら不敵な笑みを浮かべ、左手に掴んでいる[ソレ]を睨み付ける
「グッ……キサマ…ワ」
突然野太いが人間の声とはかけ離れた不気味な声で話始める[ソレ]を無視するかのように芝狸は続けた
「お前を送りつけた奴は誰だ?」
「………コタエ…ラレヌ……」
「なら何故こんな事を…」
「ノロイハ……ゼッタイ…ダ」
「そうか…」
既に呼吸も落ち着きを取り戻し、いつもの冷静な面持ちに変わった芝狸はうつ向き、数秒の間を沈黙続ける
そして再び視線を[ソレ]に向け、沈黙を破った
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