第2章「師匠」

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夏子は個人的に宣伝活動を勝手に行っている ホームページの作成、学校での依頼、張り紙… しかし胡散臭さはどうにも拭えなかった 霊障に悩まされている人は意外と少なくないが、ほとんどが「勘違いかな」「霊媒師までは大げさ 」、中には「依頼したいけど料金が高い」と泣き寝入りしている場合もある そして実際に依頼するまでに至った場合、どうしても知名度のある霊媒師に流れてしまう 依頼したい人は確かに存在する それでも芝狸は大々的に宣伝活動を行わない そんな態度に見かねた夏子は鬼の形相で芝狸の本を奪いとり勢い良く立ち上がると、寝転ぶ芝狸の頭の横すれすれを手で叩いた 驚いた芝狸は目を大きく開けてパチパチと瞬かせていた
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