第1章

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「そうね、どこの棚も満杯一になっちゃったわね…。空いてる所を探してみましょう」 「ルイヴィトンはルイヴィトンだけで分けようかしら」 「良いわね」 そんな母娘の会話を、透は部屋の入り口に突っ立ったまま、イライラしながら聞いていた。 「ったく。今日も、そんなに沢山の物を買って。夫の帰りを一度でも玄関で迎えてみたらどうだい?珠里子さん」 透は、青いネクタイを左手で緩めながら言った。
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