第2章

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「小笠原社長は親が祖父母の代からの資産家でさ。そして、一人息子だ。会社設立の前の年に亡くなられたご両親の遺産が、何億もあるそうだ。独立できたのも親の遺産があったからだ、と飲みの席で謙虚におっしゃってた。奥さんが使ってるのは、その金だ。ぶっちゃけ、社長としての給料はアテにしてない」 「社長、お坊ちゃんなんですね。でも、確かに言われてみれば、そんな雰囲気があるような。気品があるというか、雅というか凛というか…」 「だな。で、奥さんは社長の資産を好き放題に使って、豪遊しまくりらしいんだ。 ただ問題は、そんな奥さんに対して、社長は強く言えないんだ。それがイライラの原因だ」 「え、どうしてですか?」
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