第3章

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話しかけてきたのは、『有限会社キリシマカンパニー』の社長・桐島 大蔵(きりしま だいぞう)だ。透と同じく、数年前に大手企業から独立をし会社を立ち上げた二十代の若社長だ。 透は、胃が沈むような思いをした。慌てて作り笑顔をし、必死にごまかそうとするも言葉が出て来ない。 「ははは。あれは…えーとですね」 「心配しなさんな。誰も信じてる人はおらんよ。ねぇ、皆さん」 透が「え」と間抜けな声を出してしまったのと、部屋に残っている三人が「うんうん」と頷いたのは、同時だった。
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