第3章

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「小笠原はん。あんな記者に、『書いて来られた』なんて丁寧な言い方せんでええで!」 「あ、も、申し訳ございません…」 すると大蔵は、顎に手を当てて考え込むような表情で言った。 「ただネットでは、きっかけは、”あの記事”なんじゃないかと言われてるな」 「あの記事・・・?」 「二年前だったか『ヴァンパイア殺人事件』という記事を書いて、世間からもネットでも総スカンを喰らったのが始まりやと言われとる」 「え」 「その記事は、とある殺人事件の犯人像に迫ったものやってんけどな。 なんでも、『被害者の死因はヴァンパイアが血を吸ったことによるもの』って書いてん。 それ以来、そんなメンヘラ記者の書く記事は誰も間に受けへんようになった。 実際、今回のスケルトンカンパニーに関する報道もやけど、ガセネタばっかり書いとるし」
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