第3章

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透は、桐島と並んでロビーを歩きながら、彼の話を聞いていた。 「安西桐子が記事に『女の子は、遊びに来ていた男の子に殺された』って書いたんや。 んで、その理由がな。 『実はその男の子の正体は”ヴァンパイア”で、血を吸ったから』やと」 「ち、血をす、吸う………!?」 「女の子はヴァンパイアである彼に血を吸われて、だから出血死で亡くなったやんやと。そんな記事を書いたんや。アホちゃうかと。そもそもヴァンパイアて、おまえ どこのマンガの話やねん。当然、誰も信じへんかった。男の子がヴァンパイアかどうか、うんぬん以前に、そもそも幼稚園の男の子が、同じ年の女の子を殺害するには無理があるやろって」 「そ、それで……女の子を殺害した犯人は結局、わかっているのですか?」
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