第1章

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木曜日の午後八時。 リビングの中心にある長いテーブルの上に、大量の紙袋が置かれているのを見て、帰宅したばかりの透は思わず顔を歪めた。 (また、あいつらムダ使いして…!) 透は怒りを抑えながら、深紅色のペルシャのじゅうたんが引かれた、弧の形に曲がっている螺旋階段(らせんかいだん)を、金の手すりに触れながら上がった。 「珠理子さん!」
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