3.危機的状況

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ケーブルをとめようと思って買い、残りを放置していた結束バンド。 それを何故だか益田が手に取り、 本当に何故だか、俺の手首に嵌っている。 つまり、絶賛拘束中。 嫌な予感しかしない。 「……何をするつもりだ?」 「え?何って、そんなの決まってるじゃないですか」 そう言いながら、彼の手は俺のシャツのボタンにかかっている。 「……やるんなら、さっさと終わらせろ……」 抵抗したって、痛い目を見るのは俺だ。 それならいっそ。 ……覚悟を決めてしまえばいい。 そう思い、伝えると、益田は嬉しそうに手を進めていった。 そしてすぐにシャツは全開。 晒された胸元に手を這わされ、遠慮なく吸い付かれたかと思えば、 彼は突然離れていき、そして、電子音。 ピロリーンとか、そんな軽い音。 ……今のはもしかしなくとも、携帯のシャッター音じゃないのか? 続けて聞こえたのは、嬉々とした、益田の弾んだ声。 「よっしゃ、今晩のおかずゲット!」 ……おかず? 不審な俺の視線に気づいたのか、彼は、はっとしてこちらを見て、 「あ、あといいですから、外しますね」 そう言ってハサミを片手に持ち、もう一方の手は俺の手首に添えられた。
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