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ケーブルをとめようと思って買い、残りを放置していた結束バンド。
それを何故だか益田が手に取り、
本当に何故だか、俺の手首に嵌っている。
つまり、絶賛拘束中。
嫌な予感しかしない。
「……何をするつもりだ?」
「え?何って、そんなの決まってるじゃないですか」
そう言いながら、彼の手は俺のシャツのボタンにかかっている。
「……やるんなら、さっさと終わらせろ……」
抵抗したって、痛い目を見るのは俺だ。
それならいっそ。
……覚悟を決めてしまえばいい。
そう思い、伝えると、益田は嬉しそうに手を進めていった。
そしてすぐにシャツは全開。
晒された胸元に手を這わされ、遠慮なく吸い付かれたかと思えば、
彼は突然離れていき、そして、電子音。
ピロリーンとか、そんな軽い音。
……今のはもしかしなくとも、携帯のシャッター音じゃないのか?
続けて聞こえたのは、嬉々とした、益田の弾んだ声。
「よっしゃ、今晩のおかずゲット!」
……おかず?
不審な俺の視線に気づいたのか、彼は、はっとしてこちらを見て、
「あ、あといいですから、外しますね」
そう言ってハサミを片手に持ち、もう一方の手は俺の手首に添えられた。
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