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無事、解放された手首。
「……なあ」
満足そうにする益田に、俺は声をかけた。
「なんですか?」
機嫌が良さそうに、彼は振り返った。
「これで終わりか?」
「終わりですけど」
そしてまた、
携帯を開きながらにやついている。
「……これだけで満足なのか?」
「まあとりあえずは。あ、先生もしかして……」
そこで無意味に間を作り、
「何かされたいんですか?」
彼はバカな事を言った。
「そんな訳あるかっ!!」
そんな訳は無い。
無いけど、無いんだけど。
……何か納得いかない。
俺の覚悟を返せ。
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