3.危機的状況

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無事、解放された手首。 「……なあ」 満足そうにする益田に、俺は声をかけた。 「なんですか?」 機嫌が良さそうに、彼は振り返った。 「これで終わりか?」 「終わりですけど」 そしてまた、 携帯を開きながらにやついている。 「……これだけで満足なのか?」 「まあとりあえずは。あ、先生もしかして……」 そこで無意味に間を作り、 「何かされたいんですか?」 彼はバカな事を言った。 「そんな訳あるかっ!!」 そんな訳は無い。 無いけど、無いんだけど。 ……何か納得いかない。 俺の覚悟を返せ。
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