4.暑い

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ようやく指が解放されたのは、 氷の冷たさが完全に口内から消えた頃だった。 何を言うつもりなのか口を開きかけた益田をもう一度叩いて、 怯んだ隙に立ち上がり、そして彼を放置し職員室に戻った。 麦茶か氷がいい感じになっている事を祈りながら。 氷があれば、珈琲淹れてもいいしな。 向こうで涼をとろう。 あの場所も、もう涼しくなかったし。 それはきっと午後になって気温が上がった所為だろう。 夏は暑いものだ。 だから、仕方がない。 暑いのは季節の所為だ。
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