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ようやく指が解放されたのは、
氷の冷たさが完全に口内から消えた頃だった。
何を言うつもりなのか口を開きかけた益田をもう一度叩いて、
怯んだ隙に立ち上がり、そして彼を放置し職員室に戻った。
麦茶か氷がいい感じになっている事を祈りながら。
氷があれば、珈琲淹れてもいいしな。
向こうで涼をとろう。
あの場所も、もう涼しくなかったし。
それはきっと午後になって気温が上がった所為だろう。
夏は暑いものだ。
だから、仕方がない。
暑いのは季節の所為だ。
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