1.さわやかじゃない朝

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朝。 職員室を出て、教室へ向かおうとする。 すると前方に奴を発見。 奴の名前は益田(ますだ)という。 理由は知らないが、やたらと俺に付き纏い、セクハラまがいの行為をしてくる奴だ。 ……迂回しようにも、この先以外の階段を使うには、かなりの遠回りが必要になる。 しかも、俺の手にはプリントが山積みだ。 「あ、先生!おはようございます!」 ……見つかった。 「ああ、おはよう」 にこやかな彼とは逆に、俺は仏頂面で挨拶を返した。 それに気分を害した様子も無く駆け寄ってきた彼は、俺の持っているプリントに目を留めた。 「それ、重そうですね。手伝いますよ」 「いや、大丈夫だ。それより早く教室に行きなさい」 仮に手伝って貰ったとして、楽にこれらを運ぶ事ができたとしよう。 だがしかし、後々、何か代価を求められる可能性がある それは生徒が教師に求めてはいけない、逆もまた然りな、卑猥な行為である事がコイツが相手の場合、予測されてしまう。 よって、ここは断るべきだ。
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