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放課後、俺はさっきまで、
明日使うプリントを数枚ずつ纏め、ホチキスで止めていた。
ふいに冷たい風を感じ、窓を閉めようと立ち上がったその時だった。
視界は反転し、見えるものは天井。
そして、益田の顔。
……つまりは、押し倒されていた。
ここは彼のおすすめのサボり場の1つ。
部活でも使われない場所だから、ひっそりとしていて、作業するには丁度良かった。
昼間は少し暑かったからここにいたんだ。
丁度暇だと言った、益田に手伝って貰いながら。
やっぱりコイツの善意をそのまま受け取ってはいけない。
知っていたはずなのに、今日はうっかりしていた。
マウントを取った益田の力は、すらっとした見た目にあわず強い。
押さえられた手首を動かそうとしながら、
彼の腕をじとりと見ていると、考えた事が伝わったのか、彼は口を開いた。
「俺、着やせするタイプなんですよ」
今半袖だし、解りやすいでしょ?と、
言われて見てみれば、確かに力の入った筋肉が浮き出ている。
まあ、今まで腕に注目してなかったから、ただ単に気づかなかっただけかもしれないな。
そう思った所で、真っ先に浮かべるべき疑問がようやく出てきた。
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