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「……なんでだ?」
軽く、テストの答え合わせ、
そして解答の説明をしてからプリントを渡し、用事を思い出したので一旦職員室に戻った。
再び教室に来るまで、その間約、10分程。
戻ると、益田はすでにプリントを終わらせていた。
採点してみると、その出来は、明らかに赤点を取る奴のものじゃない。
どの問題も、テストとは別の物なのに。
……つまりは、
「わざとなのか?」
そう問うと、益田はいい笑顔で頷き、言った。
「だってそうすれば先生と、2人きりになれるじゃないですか!」
……駄目だ、コイツ。
「なあおい、それだけでわざと赤点とか明らかに損しかしないだろ?!」
「損なんて何も無いじゃないですか!」
俺の叫びに益田もまた叫び返し、そして俺に詰め寄り、やっぱり叫ぶ。
「今回の期末じゃないし、そっちで挽回すれば取り返しはつくし、補習授業って先生がつきっきりだし!俺にとっては得しかないですよ!」
最後には襟首掴んできて、訴えかける瞳は、近距離だ。
そしてそのまま、さらに彼との距離は近づく。
鼻先が触れそうになり、そこでふと、俺は思った。
まさか、キスされる?
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