最後のメッセージ

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テニスの大会が近づくと、橘コーチはテニスのテクニックを教えてくれた。 橘コーチの指導は真剣で、手抜きがないと感じた。 橘コーチが持っている、全てのテニスのテクニックを私に伝えようとしてくれているようだった。 練習中私がミスをすると、 「何やってんだ!  もっと相手の動きとボールをよく見ろ!」 といつもの罵声をあびた。 相変わらず、男口調である。 とにかく橘コーチは厳しかった。 試合が近づくにつれ、さらに厳しさは増していった。 このくらい厳しい練習をしないと、世界では通用しないのだろうと感じた。 ある日私は、橘コーチと久しぶりに試合形式で対戦した。 また、こてんぱんにやられるのかな…と思っていた。 ところが、状況は一変していた。 私は橘コーチに対し、優勢にゲームを進めていた。 自分で思っていた以上に、テニスのテクニックが飛躍的に向上していたのである。 私は、自分自身に自信が持てるようになってきた。 次の大会では、これまで以上に頑張ることができそうだという手ごたえを感じた。
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