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橘コーチは、なぜ私のような無名の選手に、こんなに時間を割いて指導してくれるのか、まったくわからなかった。
私は、橘コーチに言われるがまま、指導を受けていればいいのだろうか?
橘コーチは、テニスのテクニックをなかなか教えてくれなかった。
私は、疑問を持ったまま指導を受け続けるのは、良くないと思った。
やはり、自分なりに納得して指導を受けるべきと考えた。
翌日私は、橘コーチに質問した。
「毎日走ってばかりで、テニスラケット握っていませんよね。
私にテニスの指導していただけないのですか?」
橘コーチは、答えた。
「若林は、下半身がなってないんだよ。
もっと下半身を鍛えなきゃダメ!
テニスのテクニックは、どうにでもなるよ。
今は、ごちゃごちゃ言わずに、言われたとおりに練習しろ!」
完全に男口調である。
私は、
(本当にあんたは女か?)
と心の中で叫んでいた。
とりあえず、会社に雇われの身だし、従うしかないと思った。
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