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今日も練習の後、会社の食堂で夕食を食べた。
いつものおばさんが、準備してくれていた。
おばさんの作る食事は、家庭的な味で、懐かしくて心がなごんだ。
食事をしていると、またまたおばさんがテーブルの私の前の席に座って、笑顔で話しかけてきてくれた。
「橘さんに、そうとうしぼられているみたいだねぇ?」
私は、答えた。
「えぇ、めちゃめちゃ厳しいです。」
おばさんが、話をしてくれた。
「橘さんがね、若林君は優しいって言ってたよ。
若林君を応援しているファンがいて、若林君のファンに対する態度が親切丁寧だってほめてたよ。
でもね、テニスプレーヤーとしては、若林君の優しい性格があだになっているかも…とも言ってたね。
スポーツ選手は、少し気が強いくらいでないと厳しいかなって言ってたよ!」
私は、意外な話を聞いたと感じた。
おばさんは、話を続けた。
「橘さんは、若林君を応援するファンのためにも、若林君には頑張ってほしいって言ってたよ。
でも、結果が出てないから、橘さんもなんとかしたいと思っているみたい。」
私は、食べながら返事をした。
「ふ~ん」
おばさんは、誰からもすかれる性格だから橘コーチもおばさんに、いろいろ話をするのかなと感じた。
おばさんの話は、さらに続いた。
「橘さん、体が不自由な子供たちがいる施設に、時々遊びに行くみたいよ。
その施設に、下半身が不自由で、車いすで生活している小学校5年生の女の子がいるんだって。
この女の子が、若林君のファンらしいよ。
橘さんも頑張るねぇ!」
私は、すかさず聞いた。
「橘コーチは、いつ施設に行っているの?」
おばさんが答えてくれた。
「水曜日の夜行くことが多いって!」
私は、橘コーチの意外な一面を知ったような気がした。
橘コーチのことを、もっと知りたいと思った。
私は、おばさんに、
「おばさん、今日もおいしかった。
ありがとね!」
とお礼を言って、食堂を出た。
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