彼女の憂鬱

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「そんなことより、青井先輩と今日、部活の後デートなんだっ」 「えっそうなの」 青井といえば陸上部の貴公子。 でも… 「梅谷先輩とつきあってたよね?」 「あ、そっか。里穂知らなかったね。 梅谷先輩、部活もやめたんだよ。 別れたみたいよ。」 「うそ!」 梅谷といえば、美人で優しくてみんなのお姉さん的存在なのに。何があったのだろう。 「だからー、いまはー、私が一番仲いいし。今日告っちゃおうかなー」 「そ、そうなのね。頑張れ」 動揺を隠して応援した。 一年のときに、青井の走りに憧れたのが 入部のきっかけだった。でも、梅谷と一緒にいるときのあの雰囲気が好きで、ただ見ているだけでよかった。 (沙希は強いなぁ。) ぼそっと心でつぶやいた。
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