彼女の憂鬱

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「おはよー」 「おはよ。昨日どうだった?」 「え、青井先輩?やっぱもういいわ」 「へっ?沙希あんなに…」 ぷいっと自分の席にむかう沙希は、取りつく島もない。 ヘソをまげた沙希は立ち直るまで時間がかかる。おおかた、先輩に告ったがダメだったのだろう。 「おはよー!サキちゃあーん。昨日見てましたよ。」 教室に入るなり、さっちゃんが、近づいていく。 「キスしてたでしょ!このっこのっ。 あのあとどこ行ったの~」 一方的に興奮してまくしたてる彼女に、その内容に、少し注目が集まりはじめた。 (バンッ!!) その興味の糸を全て断ち切る勢いで、 沙希は机を叩いてでていった。 「さ、沙希・・・」 声をかけた私をキッと睨んででていく。 「あちゃ、怒らせたかな。あはっ」 失敗、失敗、とさっちゃんが、追いかけていった。
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