彼の憂鬱。

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裏通りに入り、ひんやりとした壁に沙希を押し付ける。 小さい体に手を回し、腰に手を這わせた。 「んっ」 びくん、と満更でもない反応を確認し制服の中に手を滑り込ませた。 「だめっ」 そのセリフを口止めしつつ素肌をなぞる。 「先輩、好き…」 キスの合間に沙希が聞く。 「私のこと好きですか?」 「ん?可愛いとは思っているよ」 正直に青井が答えた瞬間、沙希がぱっと離れた。 「もうっ。やっぱりまだ怜奈先輩のこと好きなんですかっ」 なぜ、いまこのタイミングでそんなことを言ってくるんだ。 ため息をつき青井が口を開こうとした瞬間、 「ヒッ」 と沙希が悲鳴をあげた。
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