彼女の憂鬱

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佐藤里穂。 1年から頑張ってきた陸上部。 大会前に、足首を捻挫した。 せっかく、リレーも代表に決まっていたのに。と、悔しがる里穂のかわりに、2年になってから入部した沙希が急遽走ることになる。 沙希は、練習よりも、そして誰の予想よりも速いタイムを出した。 小さくて可愛い沙希はたちまち注目を浴び、みんなと手を叩きあって喜んでいた。 客席で見ていた里穂としては少し面白くない。打上も出ず途中で帰り、そのまま部活に顔を出すこともできず、ずるずると気づけばもう大会から1週間立っていた。 今日は土曜なので、グラウンドではたくさんの生徒が部活をしている。 「あーあ。つまんないな」 ため息をつき、準備室にむかった。
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