彼女の憂鬱

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――クスクス。 週があけて月曜日。 登校して教室に入ると、何か違和感を感じた。 「里穂ー!」 沙希が飛んできた。 「土曜に、西原になんかされたって本当??」 小声ではあるが、周りの生徒がピクッと反応したのがわかる。 「はあ???なにそれっ?」 「ちょちょ!こっち来て!」 声を荒げたら、沙希に廊下に連れ出された。 「土曜に、準備室から里穂が泣きながら出てきたって。だから何かされたんじゃないかってウ・ワ・サ。」 「泣いてないよ!腕立て伏せさせられて、ガン見してくるから気持ち悪かったのは本当だけど。」 「何それウケる」 と沙希が笑った。 「笑い事じゃないよー。最悪!」 やっと違和感の意味がわかった。 つまり、好奇の目にさらされているということか。 カッと頭に血が上る。 「まあまあ、何もなかったんなら、堂々としとけばいいよ里穂ちゃん。」 始業のチャイムとともに教室に入りながら沙希がそういった。
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