第1章

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「お父さん、今日ね、ミサとアイと三人でね、学校の砂場でお城を作ったんだよ」 「すごいな、ユイは。上手に出来たかい?」 「うん、すっごく上手に出来たんだから、お父さんにも見せたかったな」 小学生になったばかりなので、まだ保育園の気分が残っているのようだ。 「明日も早いから、早く寝なさい」 「はーい。おやすみなさい」 「おやすみ、ユイ」 そしてユイは、いつものように一人で布団に入った。 私もお風呂を済ませ、ユイが蹴飛ばしいる布団を整えて、ユイの横へと潜り込んだ。 そして、しばらく眠れないでいると、いきなり「大っ嫌い」とユイが叫んだ。 横に振り向くと、ユイは眠ったままだった。 私の前だと明るく振る舞ってくれているが、お母さんと別れた事を恨んでるのかも知れないな。 もう少し二人の時間を大切にしなければ。 「もーっ、大嫌い。ケンのバカ。ドッジボールをちゃんと受けないから、お城が壊れたじゃない」 なんだ、今日の事を思い出しているのか。 でも本当に良かった、友達と仲良くしているようで。 そして、少しずつ子離れをして行くのか。 複雑だな……親心って。
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