Date.00 使命

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   ――20XX年 3月20日。  それは、突然のことだった。 「……え?」  まさか……。 「今度、開発することになった新薬の――」  ……信じられない。  デスクの上にある写真立てを横目でちらりと見て彼は続ける。 「その研究チームに参加してもらいたい」  彼はここ、東雲製薬の責任者――東雲 暁(しののめ あきら)だ。 「はい! 勿論です!」  比較的に平静を装い言葉を返す。  その半面、私は心の中で「よし!」と声を上げる。  ここへ来てから早9ヶ月、まさかこんなに巧くいくとは……。  
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