Date.00 使命

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 1  ――およそ、1年前。 「そんな! いきなり……!」 「これは決定事項だ」  目の前のこの男は常に険しい表情を崩さないまま、静かに言葉を遮った。  すでに決まったことならば従うしかない。  私は見えないように両手を握り締め、きつく結んだ唇を緩めて「分かりました」と答える。  紹介が遅れたが、私の名前は新田 健(にった たける)。  警察庁公安の、特別捜査課に位置している。  ついさっき私に与えられた命令は、以下のとおり。  ある製薬会社が裏で非合法な薬品を製造している。その真否を探る為、そこへ潜入してこいというものだった。  
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