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「別に研究ができるなら、どこだって構わないわ」
中川の左隣でそう言ったのは、唯一の女性、渡辺 真理(わたなべ まり)。
冷笑を浮かべる横顔も、その本性を知らなければとても魅力的だ。
彼らよりも数メートル先頭にいた東雲氏が、クリーム色の外壁をした屋敷へ向かって足を運ぶ。
そして、棟続きの左側にある玄関のドアを開けて振り返り言った。
「どうぞ、中に入ってくれ」
ふと生じた疑問に私は足を止める。
こんな郊外の山間に、ましてやこんな広い屋敷に彼1人でいるはずがない。
「ここには、お1人で?」
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