Date.00 使命

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   案の定、その疑問は口をついて出ていた。 「……いや、妻と娘と、あと息子がいる。家族には、君たちが来ることを伝えてある」  やはりといった気持ちが心中に渦巻く。  ただ、東雲氏はそのことをあまり意に介さない様子だ。「さぁ」と促され、皆、屋敷へ向かって歩き始める。  私も彼らの後を追い、止まっていた足を前へと押し出した。  私が東雲製薬の内部を探る為に潜入していることは、決して気づかれてはいけない。  決意も新たに屋敷へ足を踏み入れたその時、 「もしかしたら地下とかあって、そこにとんでもねぇ秘密があったりして。なァ、仁井田さん」  いきなり話を振られ、心臓がどきりと跳ね上がる。  
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