13人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうぞ。里子ちゃん」
「お邪魔します」
ツンと鼻を突く臭い。
ゴミが溜まっているのか、妙に生臭い。
カツさんはマメな方だと思っていたのに意外。
やっぱり、男の人ってみんなそうなのかな。
「少し、驚かせちゃうかも」
リビングの扉を開けた瞬間、
目に飛び込んできたのは、
壁一面に並べられた、髑髏。
何?
何?何なのこれ? カツさんの趣味?
恐る恐る、後ろにいるカツさんの方を振り返ると、
いつもと変わらない優しい微笑み。
「カツさん…これは?」
里子が、恐怖に染まった表情でカツを見つめる。
「痛っ!!!」
突然、首元に何かが刺さった。
ドクドクと体中に巡るアツイ感覚。
気が遠くなる。
私、どうなっちゃうんだろう…
「カ、ツ… さん… 何で?」
「里子ちゃんの望みを叶えてあげるよ。
大丈夫。痛くしないから」
蠍のしっぽから全身を巡る毒は、
数秒で体中に巡り、死に誘う。
七匹の鬼神の一人サソリ。
好物は、少し不幸な女の子。
最初のコメントを投稿しよう!