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「レ、レイちゃん?
クロワッサン食べないの?」
「どうして、もう少し早く
気付けなかったのかしら…」
レイがテレビを睨みながら、
独り言をブツブツ話す。
「仕方ないよ。
レイちゃんはすぐに行ったんだし。
最近奴らの数が多すぎるんだ」
「だけど、緑色(リョクショク)地区は
私の管轄よ!」
「まぁ、まぁ…
レイちゃん一人の問題じゃないでしょう」
父親の龍鬼が、レイをなだめる。
「ねぇ! パパ!
最近、何でこんなに鬼が増えてきたの?」
ガラにもなく、レイが声を荒げる。
「パパにも分からないんだ。
DKは、なんて言っているの?」
「DKの連中も慌てているわ」
レイが何度もため息をつきながら、
いつもより早く準備を終え、玄関に向かった。
「え? もう? 行くの?」
「えぇ。早めに資料を整理してくるわ。
今日は、遅くなるかも」
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