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「カツ様に言ってやろぉ」
「やだぁ! 鈴! だめだって!
『ラビア』のモンブラン奢るから!
カツ様には、言っちゃダメ!」
「仕方ないなぁ~。
『ラビア』の高級モンブランなら…
あっそうだ! カツ様も誘ってみようよ!」
「カツ様ぁぁ~~
来週さ、お店の前に『ラビア』の
モンブラン食べない?」
鈴が洗い物をしているカツを呼ぶ。
「いいねぇ。『ラビア』のモンブラン、
俺も好きだよ」
上品に切れ上がった大きな瞳が、
目尻が下がると同時に醸し出される優しい表情。
この極上のギャップが女の子達に
至福を与えるのだろう。
「来週絶対だよ! 絶対!」
二人が揃って黄色い声を上げる。
パッツン前髪で黒髪のボブ。
童顔で高校生にも見えてしまいそうな
顔立ちに大きな目。
まさに男の子が好きそうな雰囲気を
醸し出しているのは園子。
金髪のロングヘアーに少し焼けた肌が
特徴的なハワイアン美人の鈴。二人は金曜日の常連客。
二人も、カツさんが大好きらしい。
世の中は、不公平。
私も不細工って訳じゃないのに、
何が違うんだろう。
この二人はいつでも幸せそう。
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