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背広を着た成年はいきなり発狂し、足元から紫色の水を発生させた。
紫色の水は背広を着た成年の声に反応し、動いている様だった。
幸は邑に手を伸ばし助けを求め。
邑も幸を助けようと手を伸ばし、あと少しで届きそうになった。
その瞬間、幸は紫色の水に包まれ紫色の水と共に床に消えていった。
「幸! テメェ!! 幸をどこやった!!」
背広を着た成年は邑の迫力に驚いたのかそのまま扉を閉めた。
その時部屋全体が青い光に包まれた。
そんな現象にも気づかず邑は追いかけようと扉を開けるが背広を着た成年は居なくなっていた。
それどころか今まで歩いていた筈の廊下も消え失せ、他の部屋に繋がる扉になっていた。
「なんだ……何なんだよ……」
あり得ない光景に邑はへたりこんでしまった。
アドルフは邑の背後に立った。
「すまない、僕のせいで……僕があそこで花瓶さえ落とさなければ、こんなことにはならなかった」
「………」
「おそらく君の妹はあそこにいるはずだよ」
「知っているのか? 幸の居場所」
「明確には言えないけど……おそらくは城の最上階に……」
「……それではそこに行きます。 案内頼めますか?」
「あぁ……勿論、僕に着いてきて」
邑は何も言わずにアドルフに付いていく事にした。
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