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気がつけば俺たちはそこに立っていた。
何をしていたか分からない。
どうやって来たかも分からない。
分かるのはここに来る前の記憶…思い出……それと近くにいる双子の妹。
妹はボーッとしていた。
何が起こっているか、どうして自分達はここにいるかを考えているようだった。
「幸?……」
妹の名前を呼ぶと反応を見せた。
「邑?……私たちどうしてここにいるの?~」
「分からない」
できる限りの記憶でこの状況になる前の出来事を思い出してみた。
……………………………
……………………
……………
夏休みどこかに出かけようと幸と話し合っていた。
「やっぱり~高校最後の夏休みだからパーっと遊びたいよね!~」
「そんなお金ないぞ」
「むー……お父さん!~」
「父さんにすぐ頼るのは良くない」
「むー! むー!」
頬っぺたを膨らませる。
その姿を見て笑いを堪えられずに吹き出した。
「何で笑うの!!~」
「……痛い」
吹き出したことに怒り幸は近くに転がっていたぬいぐるみを俺に叩きつけてきた。
そこに我が家の主の父さんが現れた。
「父さん……」
「お父さんどこかにパーっと出掛けたいよ!~ インドアではなく、アウトドアが良いよ!~」
「良いんじゃないか?」
「父さん!」
「子供は冒険して成功も失敗もして育っていく。 行ってこい!」
「止めてよ!」
「やった~!」
「ただし」
そう言って父さんはサバイバルナイフ、寝袋、空の水筒、サバイバル知識が書かれた本を二人文揃え鞄に積めそれを俺と幸に渡した。
「あの? 父さん」
「行くぞ子供たち!」
「わーい!」
「車に乗り込め!」
「おー!」
「行きたくねぇ……」
こうして我々は隣の隣の県の山へとやって来た。
「それでは夏休み終わる前には迎えに来るからな! 頑張れよ!」
そう言い父さんは車で去っていった。
幸はと言うと呑気にウキウキとしている。
と言うか……幸はこれでも良いのか……。
とりあえず山に入った……。
そして記憶は途切れた。
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