篠突く雨ならば

七

触られてもいないのに隆起しはじめる。それから、胸元もじりじりと刺激を待っている。

意地悪はやめようと言ったくせに、牧野さんは肝心なくちびるへはキスさえしてくれない。

冷たい指が腿の内側をはう。

根元まで近づき、するりとかわす。

期待が裏切られるごとに体がピクンと反応した。

「まきのさん…」

「なんだい？」

はっきり言うのはためらわれ、俺は牧野さんの腕を掴み自分の下腹部へ近づけた。

予感に息が荒くなる。