第1章

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公園の野良猫を次々拾った。主に子猫だったが、ママ猫らしき白黒の大きな猫も捕獲容器に入った。それが子猫の世話をしていたからメスかと思いきや雄だとボランティア仲間から聞いた。去勢済みらしい。室内で、その白黒に逃げられた。蚤取りはまだだった。シーツの上で蚤が跳び跳ねた。しかし、部屋中、クローゼットの中も捜索はしたが、彼は居なかった。もしかしたら外へ逃げてしまったのかもしれないと仕方がないと諦めていた。私の寝室兼居間には大きなマッサージ椅子が置いてある。三日目の夜だった。電気を消して眠ろうとしたときに、その椅子辺りからガサゴソ物音が聞こえた。不思議に思い、椅子の中を覗いたら空洞になっていて、白黒さんがいらっしゃった。そのあとは記憶にないが、たぶん追いかけて四階の猫ルームへと彼を招待した。猫しかいない部屋で、作り付けの広いケージが彼、チャーリーと仲間たちの住みかとなった。まさか、椅子の中に潜んでいたとは、男が椅子の中に居なくて良かった。私生活を覗き見していたのは蚤つきのチャーリーちゃん。キッチンにドライフード置いてあるので食べていたようだ。今も元気に暮らしている。マッサージ椅子の中には埃しか今は居ない。
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