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「おじゃましまーす!」
「んなっ!? おまえ!どっから入ってんだよっ!」
予想通りのリアクションをする『あの人』に対し。
素直にトビラから入ると門前払いを受けるのを知っていたあたしは、策として『窓から侵入』することにしちゃいました!
「良いじゃない? あたし達って、そんなよそよそしい仲ってわけでも無いんだし。ねぇ、そうでしょ……結城お・に・い・ちゃん!」
「――――――んなっ!!」
流石、演技力が無いあたし。
我ながら、ゾッとする演技だわ!なんて、内心で汗を流すあたしと、それに絶句する2つ年上のルックスはまぁまぁの冴えない大学生。
(見た目だけなら隣で腕を組んでも申し分無いんだけど……ねぇ)
なんて思いながら、あたしは座っている結城兄さんをまじまじと見ちゃったりして。
「どうでもいいけど。お前……学校はどうしたんだよ? 今日は登校日だろ!」
「えっと、その…………。そう! 結城兄さんに会いたくて休んだのよ」
「……嘘だろ。お前が最後に俺の家に来たのは、確か…… 俺が小学校を卒業して以来だろ……?」
「…………」
(ちゃんと覚えてくれてたんだ…… あたしが最後に結城兄さんとお話をした日のこと)
結城兄さんはもう覚えてないと思ってたあたしの大切な想い出、今頃になって、忘れかけてたあたしの記憶を思い出させた。
「結城兄さ……」
「なんだよ?」
いつの間にか、乙女チック脳になってたあたしを止める術も無いままあたしは―― この後のことを思い出すだけでも、うぅっ! 吐き気がぁぁ……
※※※※※
「えっと、その……結城兄さんが良かったら、これからデートに――」
この後、上手く行ったかは皆さんの想像にお任せしますっ!
では、また何処かでお会いしましょう。
今度は、彼氏と一緒に――
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