第1章 白球

4/5
前へ
/5ページ
次へ
 1点を決めるごとに、その少年達の学校の応援や歓声が大きくなっていく。  ゲームカウント3-1で、ゲームポイントは3-0。少年達はあと1点と取れば勝てる。  「あと1点だ」  後衛の少年の最後のサービスの返球で点を取れば勝てる。少年は勝負に出ることにした。狙うのは相手の前衛の右側。そのコースに入れば、今の状況なら確実に勝てる。相手の後衛は精神的にも肉体的にも限界がきている。  相手のサービスが自分のコートに入る。そのボールにも、もはや力はない。狙ったコースにボールを打つ。相手前衛はそのボールを触る。  正直焦った。勝負に出た事が裏目に出た。しかしそのボールは、コートの中には入らなかった。アウトになって、対戦相手の、負けが確定した。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加