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「ね…ゆきが僕と話してる時、連絡取ってる人って誰なの。」
ある日、僕は思い切ってゆきに聞いてみた。浮気かもしれない。僕は、そう思う事しか出来なかった。
「みおちゃん…。」
「えっ?僕の妹のみお?」
「うん。」
それは、意外な答えだった。返信が来ると嬉しそうに笑っていたのが、僕の妹だったなんて…
妹に少し妬きながらも、家族と彼女が仲良くなってくれるのは嬉しい事だった。
「ねぇ、ひろと。私、ひろとの他に好きな人ができてる。」
連絡を取っていた人物が妹と知って、安心していた僕は、ゆきの言葉に地獄へと落ちた。
「はぁ?それ誰?」
僕は不機嫌な声を露わにしたまま、ゆきに問う。
「…みおちゃん。」
「えっ…?!だって、みおは女だぞ。」
「言いたい事はわかるよ。私、実は女の子も好きなの。
私、みおちゃん好きになっちゃったの。初めて会った時、この子しかいないって思って。
この間、私の気持ち伝えたら、みおちゃんも付き合ってもいいよって。
その代わり、ひろととはちゃんと別れないと…。ごめんね。勝手で…」
僕は、言葉を失ったまま、彼女の後ろ姿を見送った。
まさか妹に彼女を奪われる日が来るなんて、泣きたいやら、怒りたいやらを通り越して、ただ虚しさだけが心の中に残っていた。
その後、ゆきは僕の妹に会うために、僕の家へと訪れるのだった。
数ヶ月前は、僕の部屋に来てたのに…
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